私の父の楽しみは、なんと言ってもお酒です。

それは会社を定年退職してからはずみがついてしまって、朝、昼、夜関係なく、飲みたいときに飲んでいるという状態。 会社を退職してから、趣味の家庭菜園に打ち込むようになり、朝早くから畑に出かけ、汗だくになって帰ってくると、お風呂に入ってすぐにビール、そしてビールが飲み終わると、今度は焼酎を飲み、昼寝をしてまた畑に出かけ、帰ってくるとまたビールに焼酎という調子です。

そして夕食時にも、もちろん焼酎、寝る前に焼酎で、一日いったいどれくらい飲むの?というくらい、お酒を飲んでいます。

焼酎は、今は4リットルボトル入りというのがあるのですが、一週間でなくなってしまうほどです。

お酒が好きな父が今飲んでいるのが、肝パワーです

父が二日酔い!?

まあそれでも、これまでがんばって働いてきてくれたので、好きなお酒くらい飲ましてあげようと思って、母親ともども、仕方ないね、といっていました。

ところがある日の朝、父が畑にも行かずに寝ていたので、「天気もいいのに、どうして畑に行かないの?」と聞くと、「二日酔いで体がだるい」と血の気のひいた顔をして言うので、びっくり。

今まで、仕事でどんなに忙しくてもそんなことはなかったので、母親も心配し、すぐに行きつけの病院に連れて行きました。

頭の中が真っ白に...

すると、「ここでは診断できないので、すぐに総合病院に行った方がいい」と言われ、私も母親も、そして父親も真っ青・・・

まさか・・・

と、頭の中が真っ白になりました。総合病院に連絡をとってもらい、すぐにその足で行ったら今度は、「精密検査が必要です」、と言われ、涙が出てきそうになりました。

家に戻るまでの車の中は、私も母も父も一言も言葉が出ず、重い空気が流れていたのを覚えています。

お酒は控えるように

次の日、検査入院で、検査結果は一週間後。 その一週間のとにかく長く感じたこと。 すぐに一週間がたって欲しいという気持ちと、結果を知りたくないという気持ちが交じり合い、明るさが自慢の家庭が一気に暗くなってしまった一週間でした。

そして検査結果を間く当日。

現実を受け止めようという気持ち、泣きそうになる気持ち、苦しかった‥。

診察室に入ると、医師がカルテのような書類を何枚もめくっていました。 そして私たちの顔を見るなり、「肝臓がだいぶ弱ってますね。その影響で疲れやすくなっていたんですよ。年をとったせいもあるかもしれませんが、お酒は控えるようにして下さい。」と言われました。

思わず「○○ではなかったんですね?」という言葉が出そうになりましたが、それよりも、何でもなかったことがうれしくて、「お父さん、お酒は控えた方がいいって。 これからは我慢しなきゃね」と言ってました。

以前のようには...

治療方法を探し続けて一ケ月がたちました。

それからは、さすがに量は少なくなりましたが、なんとなく、父が寂しそうにしているのを見るようになりました。

そのとき初めて、そんなにお酒が好きだったんだ、ということを知ったのですが、長生きして欲しいので、さすがに以前のように飲むのを許すことはできません。

そんなある日、父が、「一緒に畑をしている人からもらったから、しばらく飲んでみる」といって持ってきたのが、「肝パワー」です。

お酒が残らない

どうも、肝臓の働きを整えるという効果があるようで、肝臓の検査で病院にいった父の話を間いて、親切にも父にくれたのです。 それまで野菜の作り方などを父が教えていたので、その思返しだったのかもしれません。

その人が言うには、この肝パワーを飲むようになってから朝起きるのが楽になったお酒を、飲んでも次の日に残らない、ということで、父は特に、「お酒が残らない」というところに強くひかれたようで、相変わらず懲りないなあとあきれつつ、肝臓にいいなら飲んでみたらと、母親も賛成したのです。

ただ、知り合いがくれたのは二日分だったので、こういうのは続けないと意味がないと思い、パソコンで調べて買ってあげました。

顔色がよくなったのです

それから一ヶ月、畑仕事なのか、酒やけなのか、よくわからないほど浅黒くなっていた父の顔色がなんとなく明るくなってきたことに気がつきました。

「なんか変わった?」と父に聞くと、朝起きるのが楽になった、お酒を飲んでも次の日に残らなくなった、悪酔いしなくなったと、言うんです。 「本当?お酒が飲みたいからそう言ってるんじゃない?」と母親も疑いましたが、あきらかに違う顔色を見て、「効果あるんだ」、という結論に。

おいしそうにビールを飲む姿

こういうのって正直、効果があるのかどうか怪しいと思っていましたが、今、目の前にいる父の顔を見ると、疑ってばかりでもいけないね、と反省。

今日も元気よく畑に行く父、帰ってきておいしそうにビールを飲む父、その姿をいつまでも見ていたいので、この「肝パワー」は、もう私の家になくてはならないものとなりました。